2015年6月18日木曜日

立ち呑み 粋(すい)(墨田区錦糸)

スカイツリーが見える町、錦糸町は年々、大きなビルが改築され生まれ変わっています。駅の改札を出ると健全な雰囲気に溢れ、昭和の風景を知っている人だったら、違う町に来てしまったような感覚になるでしょう。それでも、路地をさまよってみれば、マルイの裏、花壇街、錦糸堀公園(別名、三角公園)あたりなどに、酒からお色気系まで愉しめるカオスで国際色豊かな店がまだまだ残っていて、オッサンは胸をなでおろすのです。


しかし、いきなりディープゾーンに突入するのに素面でってわけにはいきません。そんなとき、早い時間から一杯ひっかけられる店があるとありがたいですね。今回紹介するのはそんな店。駅の北口に出たら、ガード下沿いに右へ。四ツ目通りの横断歩道を渡ると、すぐに見えてきます。


店内は中央に酒のボトルが並んだ飲み物を作るブースがあり、その周りを囲うように立ち飲みカウンター。壁側にもぐるりとカウンターがあって、一部は座って飲めるテーブルがあります。接客と飲み物を作るのは若い女性店員で、立ち飲みにしては華やかで柔らかい雰囲気ですね。



スーパードライ中生 330円、ポテトサラダ 180円
ドリンクはスーパードライの中生が330円で、ジョッキは格安店でお馴染みのちょいと小さめ。スムースな喉越しで、この価格なら納得かな。つまみは100円のものからあって、まずはすぐに出てきそうなポテトサラダ。マヨネーズ控えめなのか上品な味わいで、マッシュされた柔らかな触感の中にゴロッとしたジャガイモの残っているタイプです。

ホッピーセット(白)290円、鶏の唐揚げ280円、きゅうり(特製辛みそ)100円
「きゅうり」と注文すると、「どのきゅうりです? ウチはいろいろあるんですよ〜」と店員に笑顔で確認されました。あらためてメニューをしげしげと見ると、辛みそ、一本漬け、塩昆布和え、塩だれ梅きゅうと、たしかに種類豊富です。そこで、100円の特製辛みそを注文。これが大当たりで、1本を4つに切り分けられたキュウリはよく冷えていて、パリッと気持ちいい食感。ピリ辛の味噌はこれだけでもお酒のつまみになりそうなくらい旨い。

ホッピーセット(白)290円、中120円
鶏の唐揚げ 280円

ホッピーは焼酎の量は外1中3でもギリギリいけるかな。唐揚げはチンするタイプのようで、手間を極力減らして価格を抑えているのではと想像を巡らせてしまいます。柔らかい唐揚げとキュウリのパリッとした食感を交互に愉しみましょう。


韓国風チヂミ 400円
チューハイ 200円
壁の黒板には月替りのオススメメニューが並んでいます。その中から韓国風チヂミを「韓国風ってチヂミは元々韓国だよなあ」と胸の中でツッコミを入れつつ注文。値段が書いてないので、店員さんに確認しないといけないのが面倒ですね。ココはぜひ改善してもらいたいポイントかな。チヂミに添えられてきたタレは韓国料理屋でよく出てくる酸っぱくて辛くて甘いタレではなく、中濃ソースなのにビックリ。見た目が似た沖縄のヒラヤーチはソースで食べることがあるけど、チヂミにソースは初めて。食べてみると、口の中で韓国と沖縄がコラボしたような味わいが広がります。「うん、これはこれで悪くないかな…」なんて苦笑いしながら、酎ハイをグイッとあおったのでした。焼酎がしっかり入っているのか、酔いがまわったみたいです。


●立ち呑み 粋(すい)
営業時間 16:30〜24:00
定休日 日曜・祝日
住所 東京都墨田区錦糸4-1-8(錦糸町駅北口より徒歩約2分)
連絡先 03-3625-9343

(GOT『ズバ! 風俗情報』居酒屋特集/2014年1月23日取材、2014年2月7日更新分を再編集)

野方食堂(中野区野方)

定食屋で食事していて「このおかずだったら酒にも合うな」なんて思ったことありません? 実際、空いた時間ならビールの小瓶かお酒を徳利で1本くらい軽くたしなむことがありますが、今回は開店時間からお酒をちょいとどころか、思う存分愉しめる店なんです(もちろん飲み過ぎや悪酔いは駄目ですよ)。


西武新宿線野方駅の南側出口の階段を降りると、駅前商店街を左へ。牛丼屋の角を右に曲がるとすぐです。



店内は奥に厨房が見え、テーブルが両壁際と中央に3列並んでいて、おおよそで36人は座れそうですね。




夕方5時半の開店直後に行ったのですが、既に地元の方らしきご夫婦づれやお嬢さんがメニューを吟味中。ではではとテーブルのメニューを開くと、ほとんどの料理に写真が付いていて、ファミレスみたいでにぎやかです。

発泡酒(生搾り)390円
とりあえずビールでもとお酒の面を開くと、生ビールのジョッキの写真の横に発泡酒も並んでいます。最近は生ビールと称して偽ビール(発泡酒や第3のビール)を平然と出している安酒場が増えてきましたが、こうやってハッキリ明記されると潔くて好感度アップしますね。「うむ、その心意気、気に入りましたぞ!」と発泡酒のジョッキとつまみを注文。

メンチカツ 280円

メンチカツは皿にゴロリと一個。ザクザクと箸で2つに割ると、フワッと湯気の肉の匂いが鼻腔を刺激します。肉の味がしっかりしているのでそのままでもイケますが、ソースをかけて酒のつまみの戦力アップしましょう。小袋に入ったカラシが置いてあるのも心強いですね。

赤ウィンナ炒め210円 
ホッピーセット(白)390円、中200、外250円
昭和生まれのオッサンなら、つい注文したくなるのが赤いウィンナ。切れ目が入った皮をパリッと炒められたのが8本。そのうちの1本はタコさんウインナに細工されてます。慣れ親しんだ味をウンウンと確認するようにかじってはホッピーをグビリ。おかわりの焼酎は外1中2がちょうどいい量です。

ポテトサラダ 210円
なす漬け 140円
ポテトサラダはしっとりしたタイプ。なすの漬物はぬか漬けです。こちらもカラシをちょいとつけて食べると、ピリリとした辛さがご飯の友を酒のつまみへと変えてくれます。

もつ豆腐 380円
ジンジャーハイボール 390円
もつ豆腐は醤油味で煮込まれたホルモンに豆腐を合わせ、サッと煮たもの。酒場で出会う煮込みよりも優しい味わいですね。仕上げの酒として頼んだのは、変わったメニューがあるハイボール系です。ウーロン茶割りの“のが食ハイボール”に電気ブランを炭酸で割った“稲妻ハイボール”、日本酒を炭酸で割った“ポン酒ハイボール”などがありますが(正確にはハイボールと呼べるか怪しいかな)、角瓶をジンジェールで割ってすりおろし生姜を入れたジンジャーハイボールを選んでみました。「生姜は身体にいいから」なんて、今更、健康に気づかいながらグビッとやると、甘さのあとに生姜の刺激がやってきます。うん、これは美味しい。おかげさまで、大満足の定食屋飲みができました。


●野方食堂
営業時間 11:00〜14:45 17:30〜23:00
定休日 木曜
住所 東京都中野区野方5-30-1(西武新宿線野方駅南側出口より徒歩約2分)
連絡先 03-3338-7740

(GOT『ズバ! 風俗情報』居酒屋特集/2014年1月17日取材、2014年1月31日更新分を再編集)

晩杯屋 大井町店(品川区東大井)

今回紹介するのは立ち飲み好きの飲兵衛が行ってみたい有名店のうちの一軒。本店が武蔵小山にあって、コチラは2号店です。


大井町駅の東口を出て左に進むと、すぐに見えてくるのが東小路飲食店街のアーチ。通りは2本あって、どちら側にも店の入り口があります。


混んでいるときは行列ができていると噂を耳にしていたので、午後3時の開店直後にやって来たのですが、既に店内は客でいっぱい。さすが看板の「昼間っから晩杯屋(ばんぱいや)」という、うたい文句は伊達じゃありませんね。


店内は1階は立ち飲みスペースで30人くらい並べそう。2階はテーブル席で40人くらい座れるみたい。カウンターに囲まれた厨房では、仕切り役らしいおネエさんを中心に店員たちが慌ただしく料理を皿に盛り、運んでいます。



とりあえずドリンクメニューからホッピーセットを選び(2百万円のロマネコンティはご愛嬌でしょうね)、裏返すと本日のオススメのつまみがズラリ。なんと、ほとんどが200円以下なんです。

ホッピーセット(黒・白) 350円
大盛マグロ刺し 200円、炙りしめさば 180円
ツマミはお刺身からいってみましょう。マグロは中トロみたいに甘みがあって、鼻に抜ける香りが心地よい切り身が8切れ。脂がのった鯖の炙りは5切れのってます。こんなに盛られているのに、価格は立ち飲み屋レベルなんです。

煮込み(130円、玉子入り150円、豆腐のみ110円)
煮込みは柔らかく、モツの味がしっかりしてます。プラス20円で玉子をトッピングできるのが嬉しいですね。黄身を崩して汁と混ぜると、これまた旨い。

天盛り(エビ・キス・イカ) 180円
注文を受けてから揚げる天ぷらの盛り合わせはエビ、イカ、キスの三品。写真に一緒に写っている七味唐辛子の瓶と比べてもらえると大きさがわかると思いますが、これで180円なんて信じられます? 塩をふってガブリとかじると、ハヒハフと口の中が火傷しそうなくらい熱々でホッピーがススムのなんの。

マカロニサラダ 130円
マカロニサラダはしっかり刻みキャベツが添えてあって、この店の安さにあぐらをかかない真摯な姿勢が伝わってきます。ホッピーから緑茶ハイに変えると、お茶も焼酎も濃くて、スッキリした味わいだけどガツンとした飲みごたえ。

かき酢 250円(特価150円)
かき酢は特価になっていて通常価格250円のところ150円。兵庫・広島県産の牡蠣はこれまた価格からは想像できない大粒で濃厚な旨さ。「は〜、ありがたいなあ」なんて、つい、声を漏らしてしまったら、カウンターの隣の老紳士が「そうでしょ、そうでしょ」なんてうなづいています。なんだか話しかけられそうな雰囲気でしたが、酔っぱらいどうしの会話はトラブルのもとですから、大井警察署の電話番号が大きく書かれた壁の張り紙をチラ見しつつ、サクッとお会計して路地に歩み出たのでした。大箱の3号店が板橋区大山にできたそうなので、そちらにも行ってみたいですね。



●晩杯屋 大井町店
営業時間 (月〜金)15:00〜23:30(土・日・祝)13:00〜23:30
定休日 無休
住所 東京都品川区東大井5-3-5(JR京浜東北線大井町駅東口より徒歩約1分)
連絡先 03-5460-0313

(GOT『ズバ! 風俗情報』居酒屋特集/2014年1月9日取材、2014年1月24日更新分を再編集)

2015年6月17日水曜日

立呑み さいごう(台東区上野)

お手頃価格でサクッと気楽に酒を愉しめる立ち飲み屋がどこの街でも人気です。しかし、飲兵衛もオッサンになりますと膝や腰が弱ってまいりまして「たまには座ってゆっくり飲みたいなあ。でも、安く飲みたいし…」なんて弱音を吐きたくなることもあります。


そんなとき、ありがたいのが今回の店。上野駅からアメ横方面へ向かい、山手線と京浜東北線下のガードに挟まれた路地に入ると、右側にすぐ看板が見えてきます。上野は立ち飲み激戦エリアですが、一番駅に近い店でしょう。午前中から営業しているのも上野らしいですね。



サッシの引き戸を開けて店内に入るとテーブルが5卓。客は座って飲んでいます。看板と赤提灯に「立呑み」と書いてあるのに…。とりあえず、空いてる席に座り、店員がお手拭きを持ってきたときに確認したら、2010年の夏に開店した頃は1階が立ち飲みスペースで2階がテーブル席だったけど、翌年には今のスタイルに変わったそうです。



納得したら、メニューのチェックです。価格設定は立ち飲み屋っぽく、150円から300円あたりの定番系つまみが充実してますね。これなら安心と、

チューハイ 300円
アジの南蛮漬け 350円
まずは酎ハイとつまみを注文。大きなジョッキに入った酎ハイはスッキリした飲み口ですが、焼酎濃い目で心強い。アジの南蛮漬けは柔らかくて、程よい酸味と甘さで優しい味付け。野菜がたっぷりのっているのも嬉しい。

ハムかつ 150円
立ち飲み屋の人気メニュー、ハムかつは揚げたて熱々。ちゃあんと刻みキャベツが添えられてます。

生ホッピー 450円、ホルモン炒め 400円

生ホッピーは焼酎入りのジョッキに瓶のホッピーを注いで作るのではなく、サーバから注がれたもの。ホッピーよりも泡立ちがきめ細かくて喉越しがいいけど、ガツンとくる飲みごたえ。生ビール気分でグイグイ飲んでいると危険です。ホルモン炒めは味噌だれのピリ辛。酒が進まないわけない味付けですね。

日本酒/燗 一合300円、カリジャコおろし 150円
後半は日本酒にチェンジして、熱燗とカリジャコおろしを注文。小鉢の中にはカリカリに炒られたジャコが大根おろしが見えないくらいたっぷり。ジャコ自体の味がしっかりしているので醤油はいらないかな。


1本目のお銚子を空けた頃、他のお客が注文していて知ったのですが、なんと、しじみ汁が1杯無料サービスなんです。よく見たら壁の張り紙に書いてありますね。もちろん、締めにお願いして、日頃、負担をかけている肝臓のためにいただきました。いやあ、五臓六腑に染み渡りましたねえ。イキのいい店員さんのほどよい気遣いが行き届いていて、天井からガタンゴトンと響く列車の音が心地いい店でした。

●立呑み さいごう
営業時間 11:00〜23:00
定休日 無休
住所 東京都台東区上野6‐11‐14(JR上野駅不忍口より徒歩約2分)
連絡先 03-3831-9275

(GOT『ズバ! 風俗情報』居酒屋特集/2013年12月27日取材、2014年1月17日更新分を再編集)

立ち呑み酒場 一(ピン)(千代田区神田駿河台)

御茶ノ水といえば楽器と中古レコード(今はCDですね)の街という印象ですが、酒場だって表通りから路地裏まで、探せば良い店がある街なんです。今回はまさに探し当てるという言葉がピッタリな店。御茶ノ水の駅を出て横断歩道を渡り、駿河台の坂道を下らずに左へ。


しかし、通りこしてしまったのか、住所を頼りに探しても見つかりません。もう一度駅前に戻り、今度は最初の角から注意して歩くと、酒場とはまったく関係ない薬局の壁に店へ誘導する看板を発見。「左に八歩 脇道に入る 酒場在り」と書いてあります。左ってことはさっき通った方向です。試しに八歩進んでみると、たしかに金券屋とパン屋の間に見逃してしまうのもしょうがないってくらい細い路地がありました。奥に酒場の灯りが見えます。宝探し気分でワクワクしながら店に入ると、1階は丸テーブルとカウンターの立ち飲みスペース、2階は20人くらい収容できそうな座って飲めるテーブル席です。


角ハイボール330円(とりあえず角ハイボール・入店後一杯目に限り300円)

すでに客であふれていますが、なんとかカウンターに一人分のスペースを確保。壁のドリンクメニューを見ると、いろんなハイボールの名前が並んでいて、まずは定番の角ハイボールを注文。酒が出てくるのを待ちながら店内を見渡すと、丸テーブルの上には電車の吊革がぶら下がっています。これに掴まって飲んでいる客もいますね。通勤とは違って愉しそう。


そして、もっと上の見上げると、なんと角瓶で作ったシャンデリアがぶら下がっているじゃないですか。角ハイボール愛好家じゃなくてもニヤリとしそうなくらい壮観です。



つまみのメニューをチェックすると、日替わりの料理が充実していて、刺身に串焼き、揚げ物、凝ってそうな肉料理もあって迷ってしまいます。

チャーシューねぎまみれ380円
大人のポテトサラダ350円
定番メニューのチャーシューねぎまみれは、たっぷり盛られた長ねぎ、アサツキ、玉ねぎの下に柔らかくて肉厚のチャーシュが隠れていて、秘伝のタレが絶妙。大人のポテトサラダはスパイシーな味わいで薄いオレンジ色。半熟の目玉焼きとガーリックがのっています。前半はスプーンで端っこから、後半はかき混ぜて食べましょう。

レバー串とハツ串盛り合わせ280円
串焼きはレバーとハツの盛り合わせ。レバーはねっとり甘く、ハツはプリップリの食感。肉料理が充実している店だけあって新鮮ですね。

若鶏の竜田揚げ おろしポン酢/南蛮タルタル 各390円
竜田揚げはジョッキと見比べればわかると思うのですがもの凄いボリュームです。二人連れ客が食べていて、てっきり二人前だと思っていた量が実はこの一人前だったんです。正直、オッサンにはツライ量で目を白黒させながら完食しました。

浅漬け270円
口直しに注文した浅漬はいろんな野菜が入っていてお値段以上の価値あり。大満足です。どの料理も価格から想像するよりボリュームが多めなので、他の席に運ばれていく料理をチェックしつつ注文することをオススメしときます。

●立ち呑み酒場 一(ピン)
営業時間 18:00〜23:30
定休日 日・祝日
住所 東京都千代田区神田駿河台2-4(JR御茶ノ水駅より徒歩約1分)
連絡先 03-3518-2523

(GOT『ズバ! 風俗情報』居酒屋特集/2013年12月18日取材、2014年1月10日更新分を再編集)